いつだってあの人は正しかった。世間の尺では許されないことであってもだ。わたしはただ頷いて、物わかりのいい振りをしてあの人の隣にいた。実際「いい子だね」とあの人に褒めてもらえてると、隣にいていいんだと心底安心できた。あの時世界にあの人だけだ…

miss u

寝起きの悪さを自負していたあの人との朝 今は白くぼやけてしまってよくおもいだせない。ただ、悲しい程透き通ったきれいな空気を覚えてる。 ほんとうはわたしと同じ寂しがり屋で、きっとわたし以上に愛されたいと願ってた。あの時のわたしはあの人との秘密…

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変わらずにいたいこともあって、おじいちゃんのことは忘れたくないし、きっと片時も忘れたことはないと思う。 かっこよくて、物知りで、背が高くて、もの凄く優しくて、かりんとうがすきな、ロマンチスト。 わたしがおじいちゃんのお家に行くと「よく来てくれ…

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「いつもそうだった」と半ば諦めたような感情を心の中で呟いた。今以上に苦しい現実はないと思って過ごしているけれど、いつも、今以上の深い闇にこの身を隠されてしまう。その度にあのセリフを思い出し呟くのだ。 最低な気持ちで眠りにつくことが多くなったの…

22

日常こそドラマチックというように、わたしにとって22歳という日々はかけがえのないものである。それと同時に、22という何の変哲もないような数字の羅列はわたしにこそ意味を為すものとしている。22歳のわたしのお話。 そう、わたしの22歳の幕開けは冬だった…