22

 

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日常こそドラマチックというように、わたしにとって22歳という日々はかけがえのないものである。それと同時に、22という何の変哲もないような数字の羅列はわたしにこそ意味を為すものとしている。22歳のわたしのお話。

 

 

そう、わたしの22歳の幕開けは冬だった。一生分の恋をしてしまったのではないかと思うようにその身を焦がした。自分には到底手の届かない存在と思っていた彼に抱きしめて名前を呼んでもらえたこと、雲の上を歩いているような夢のようだった時間だった。最後消えてしまうのなら、彼の存在など知らずに生きていたかったとさえ思う程。

 

 

あれ程までに欲しがった一人の時間も、なんてことないものだった。季節は初夏だった。

 

 

大人になったら好きだけじゃ一緒にいられない、ティーンエイジャーのとき誰かに聞いた話はどうやら本当のようだ。

ずっと憧れていた  隣に眠っているあの人の頬を撫でて、この夜が明けなければいいと願った

 

 

無情にも朝が来て、綺麗な朝だねと呟くあの人の横顔をみて悲しかった。

 

 

許されるのなら、もう一度

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

神様あの人の心をわたしにください。