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いつだってあの人は正しかった。世間の尺では許されないことであってもだ。わたしはただ頷いて、物わかりのいい振りをしてあの人の隣にいた。実際「いい子だね」とあの人に褒めてもらえてると、隣にいていいんだと心底安心できた。あの時世界にあの人だけだった。わたしのすべてはあの人だった。
離れていってしまった人を、遠ざけた人をいつまでも思い出にできずにいる。わたしには到底かろやかには手放すことはできない。
いつかこの脅迫めいた日記も終わりにしなければいけないと思う。昔読んだ漫画に、失恋を空の星に例える人が登場人物にいた。遠くに行ってしまった、気持ちの離れた、長い間会えないとなれば気持ちは薄れていくものだと思っていた それなのにあの人は暗闇の中いつまでもキラキラしてわたしを照らしている。
月がきれいな眠れない夜だとか、透きとおった朝に出会う度に、あの人に会いたくてどうしようもない気持ちを抱えることになる。
やっぱりあなたの代わりはどこを探しても見つからなくて。
" 切り分けた果実の片方のように "
"今でもあなたは、わたしのひかり"